再会は、健康診断で。

「西川、俺……西川のことが、やっぱり好きだ。ずっと好きだった。あの頃から変わらない、優しくてちょっと怖がりな西川が好き」


有り得ないくらい音が速い平根の心臓の音が聞こえてきて、その音に、真っ直ぐな言葉に、私までドキドキしてきてしまう。


「理科室とか音楽室とか……ひとりで行けなかったもんな、西川」


クスクスと平根は笑っているけど、そういうときは必ず平根がついてきてくれていたことを思い出す。


俺が一緒に行ってやるって、言ってくれてた。まあ、怖い話されたりして泣かされてたけど。


「私のこと脅かして泣かせてたくせに」


私のその言葉に、平根は苦笑いする。


「それはごめん。怯えてる西川がかわいくて。そうすると今みたいに俺の服掴んでくれたからさ」


たしかにそうだったけど、なんかそう思うと私ってあの頃から成長してないんじゃないかな。


「私って成長してない……」


もう二十五歳にもなるのに、変わってないってちょっと恥ずかしいかも。


< 103 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop