再会は、健康診断で。
「この時期はいつも自然乾燥だから」
「あ、じゃあ片づけとく」
ドライヤーを手にして立ち上がろうとした私の腕を平根が掴んだ。振り返ると赤い顔をした平根と目が合う。
「いいから、隣にいて。西川が隣にいるだけでやばいけど、いてほしい」
すがるような目で見つめられて、私は大人しく平根の隣に座り直す。だってやっぱり、捨て犬みたいな目なんだもん。
掴まれたままの腕がすごく熱くて平根を見ると、少し顔の赤い真剣な眼差しと視線が絡む。
その視線から目が反らせないでいると、段々近づいてきていた雷の音が鳴って、外が光った。
相変わらず雷が苦手な私はその音に身をすくめる。それに少し笑った平根が、私のことを引き寄せる。
「俺がいるから、大丈夫だよ」
昔と同じその言葉が、あの頃よりずっと心強く感じる。
だって平根はあの頃とは全然違う。私が知ってる平根より随分背が伸びているし、手も、身体も、声も、私とは違う。平根は、男の人だ。
元スポーツマンらしい筋肉質な身体は、私をすっぽりと包み込んでしまう。
抱きしめられて平根のぬくもりに包まれると、なぜだか不思議とすごく安心してしまう。