再会は、健康診断で。

「だよね。なかなか賢いね、西川さん。そういう女は嫌いじゃない。本当にタイプだったんだけどな……そんなにいい男なのかな、同級生の彼は」


「いや、黒崎さんの方がいい男だと思いますけど」


男としては、こんな性格でも全然黒崎さんの方が素敵だと思う。でも、あんなふうに真っ直ぐに私を想ってくれる人は平根しかいないと思う。


結城さんがこないだ一緒に食事に行った時に、しつけのなってない犬なんて言ってたけど、私を見つけると満面の笑顔になって駆け寄ってくる姿は本当に犬っぽい。


どこでも抱きついてきて好きだと言ってくるところが、しつけのなってないところだと思う。


「ふうん。俺の方がいい男なのに彼の方がいいんだ。なんか本当にムカつくな。邪魔してやりたくなる」


ニヤリと笑った黒崎さんの言葉にゾクッとする。


「やっぱり性格が全然違うんですけど」


顔をしかめる私に、黒崎さんはネクタイを緩めながら自嘲的な笑みを浮かべる。


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