再会は、健康診断で。
「こっちが素だよ。仕事のときはこっちの方が都合がいいから猫かぶってんの。西川さんみたいなうぶな子を調教して俺好みに染めようと思ってたんだけど、こうもなびかないと萎えるよね」
ジロッと睨まれてビクッとする。だって、なぜだか全然ドキドキしなかったんだもん。
「いいんですか? 私に素見せちゃって」
「別にいいよ。言うとしたって看護課の若い子たちだけでしょ? みんないい子だから変な噂広めたりしないだろうし、みんな信じないだろうからね。猫かぶってんのも疲れんだよね」
ならかぶんなきゃいいのにとは思ったけど、それは口にしない。言ったら私の身が危ない気がする。
「やっぱり賢いね、西川さん。もうちょっとバカな方が好みかな。弓野さんのが良かったかな。あの子もうぶそつだけど、ちょっと出来が悪そうで疲れそうなんだよな。俺、そんなに面倒見よくないからさ」
「ゆ、弓野さんもお付き合いしてる方いますよ」
本当はまだ付き合ってはなくてややこしいことになっている。でも、こんな人に目をつけられたら大変だからそうそう言っておく。