再会は、健康診断で。
そうしているうちに、噂の小塚課長が来て泣いていた弓野さんをかっこよく連れ去って行った。
初めて見たけどたしかに結城さん並みにかっこいいわ。
結城さんより大分落ち着いてて性格もいいんだろうな。俺、年とってもああなれる自信ないな。
じゃ、かえの心配事もなくなったことだし、さっさと帰ろう。
早くふたりっきりになりたいし、俺超がんばったからご褒美もらってもいいよね。
俺が反ろうと促すと、かえも素直にうなずいて立ち上がってくれる。
「ま、平根にしては頑張ってたからいじめないでやるか。良かったな、ついに男になれて。がんばってね、かえちゃん」
結城さんがそう言ってニヤニヤしている。本当にいい性格してんな、この人。
結城さんの言っている意味が分からないかえが、かわいらしく首を傾げてるのを見て結城さんが更になにか言おうとしているけど、絶対ろくな事じゃない。
「はいはい、結城さんの言うことは聞かなくていいから。じゃあ、すみませんお疲れ様でした」
かえの耳を塞いでそう言って頭を下げると、高倉さんが俺に笑顔を向けてくれる。