再会は、健康診断で。

「もう、やらしいこと言わないで」


「だって今、俺の頭の中やらしいことでいっぱいだし。今から俺とそういうことするんでしょ?」


そ、そうなんだけど。そんなふうに口に出さなくてもいいと思うんですが。まあ、そういう素直が航のいいところでもある。


「すぐ行くから、ベッドで待ってて」


それに素直にうなずくと、航はうれしそうに笑った。それから服を脱ごうとしているのを見て、慌ててバスルームを出る私の耳に航の笑う声が聞こえた。


言われた通り扉が開いたままになっている寝室に入って、ベッドの上にぺたんと座る。


どうしよう。すっごい、緊張してる。


でも、緊張するのも仕方ないよね。初めてなんだし。


航とこういうことになるなんて思いもよらなかったけど、きっとそういう運命だったんだな。


気分を落ち着けようと、寝室にしている部屋を見回して思う。なんとなく航っぽい部屋だよね。


散らかってはいないものの、なんだなかごちゃごちゃしいてるところがすごく航っぽい。


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