再会は、健康診断で。
なんだかいつもにぎやかな航っぽくないなと思うけど、私がこういう場所が好きだから連れて来てくれたのかな。
ベンチに座った航が、いつもと違う真剣な顔を私を見つめていて思わず背筋を伸ばした。
「一年前にここに来た時に、来年もここに来て……そのときに絶対言おうって決めてたことがあるんだ。かえ、ちょっと手出して」
微笑んで手を差し出した航の左手に右手を重ねると、航は苦笑いする。
「そっちじゃなくて、左手」
私の左手をとった航が、薬指にダイヤモンドのついたピンクゴールドの細身の指輪をはめる。
それは私が雑誌を見てかわいいと言っていた指輪で、驚いて航の顔を見る私に航はかしこまって咳払いをする。
「かえ、俺のお嫁さんになってください。もう絶対泣かせないし、大切にする。俺、かえの笑ってる顔が一番好きだから。ずっとかえの笑顔を守るから。だから、俺と結婚してください」
予想もしていなかった航のその言葉にうなずいて、うれしいのと信じられないのとで感情が高ぶってしまった私の目から涙があふれる。
泣くのは付き合い始めたあの日以来だ。泣き始めてしまった私に、航は困ったように眉を下げて親指で涙を拭ってくれる。