再会は、健康診断で。
なんで俺ってこうなんだろう。好きな気持ちばかり先走って、西川にこんな顔させるなんて最悪だ。
「平根、お前なにそんな時間かかって……は? なに、この状況。お前なにしたの?」
自責の念にかられていると、腹囲のカーテンの中に結城さんが入ってきて俺と西川を見比べて驚いた顔をしている。
そりゃ、そうだよな。西川は泣いてるし、俺から身を守るみたいに自分の身体を抱きしめている。
恐らく、泣きそうな顔をしているであろう俺にぎょっとしている結城さんに思わずすがりつく。
「結城さん、どうしよう!俺、やっちまいました」
涙目の俺と泣いている西川を見比べて少し考えていた結城さんが、はあっと深いため息をつく。
結城さんは物凄く勘がいい人だ。尋常ではない状態の俺と西川を見て、なにかを察したらしい。
「あー……なんかだいたい分かった。歩ちゃんじゃなくて、こっちかよ。とりあえずお前、他の検査行ってこい」
いつの間にか床に落としていたらしい問診表を拾って、結城さんは俺にそれを押し付ける。でも、このまま西川となにも話せないのも嫌だ。