再会は、健康診断で。
そんな思いで泣いている西川をチラッと見る。単純な俺の考えなんて、なにもかもお見通しらしい結城さんがあきれた目を向けてくる。
「でも、じゃねえよ。今はお前がここにいても状況が悪くなるだけだから。早く行け」
それはそうなんだろうと思う。この状態で、西川が俺の話を聞いてくれるとも思えない。でも俺、まだ検査が終わってない。
「俺、まだ腹囲測ってないんすけど」
俺の言葉に、結城さんはため息をついて俺の背中を押す。
「お前な……。とりあえず行け。昨年の値でも適当にいれてもらえばいいんじゃん。俺、歩ちゃん呼んでくる」
背中を押されて西川がいるカーテンの中から出て結城さんの顔を見ると、結城さんはまた深いため息をついて俺の背中を力強く叩く。かなりの衝撃に、うぐっと変な声が出る。
「なにしたのか知らないけど、泣きそうな顔してんじゃねえよ。でも、ふーん。あの子が平根の初恋のかえちゃんなんだ」
「ちょっ……結城さん。名前で呼ぶのやめてくださいよ。俺も名前で呼んでないのに」
必死な俺にバカにしたように鼻で笑った結城さんが、俺の問診表を奪って採血の看護師さんに勝手に渡す。