再会は、健康診断で。

「看護課の若い人達って、みんなかわいいよね。結構社内でも狙ってた奴等いたんだけど、なかなかお近づきになれないうちに、みんなあっという間にまさかのお客さんにもってかれちゃって。だいたい、外に出てることが多いから、近づける隙が少ないんだよね。西川さんもそうなっちゃったら困るから、今日誘えてよかった」


……うん? 何だろう。それってなんか……黒崎さんが私のことを狙っているみたいに聞こえるんだけど。


「西川さんのこと、これから口説こうとしてるんだけど……伝わってるかな?」


笑顔で黒崎さんにそう言われて、私は目を丸くする。そんな私を見て黒崎さんはクスクスと楽しそうに笑った。


「やっぱり西川さんにはオブラートに包まずにストレートにいっほうがよさそうだね。あ、きたね。冷めないうちに食べようか」


黒崎さんの言葉通り、注文した料理が目の前に置かれる。午後の仕事もあるから、そんなにゆっくりもしていられない。いただきます、と手を合わせてサラダから食べ始める。


私と同じようにサラダから食べ始める黒崎さんを、ついつい訝しげな目で見てしまう。


今までほとんど話したこともないのに、なんで私なんだろう。


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