元カレバンドDX
 スバルの度重なる催促に、あたしは戸惑いを隠せなかった。

 けれど、なんだかもうこの流れに身をまかせてみたくなった。

 それに、あたしは彼のことが好きなのだから、何も問題はないはずだ。

「……うん、いいよ」

 そう言って、あたしはふとんの中でモゾモゾと服を脱ぎだした。

 それにしても、彼は心理学の達人なのだろうか。

 最初に大きなお願いをして、断られたら小さなお願いをする。

 そして、受け入れられたら、また受け入れられやすいようなお願いをする。

 心理学用語でいうところの、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」と「ローボールテクニック」は、見事にあたしを下着だけの姿にさせた。

「見ちゃイヤだよ?」

 脱いだ服をベットの下に放り投げて、少し低い位置からスバルの顔を見上げた。

 スバルは「うん」と頷いて、あたしのおでこにキスをしたが、その状態が次の変化を生むまで、そう時間はかからなかった。

「ねぇ、してもいい?」
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