元カレバンドDX
(ずるいよ、スバル……スバルはずるい……)

「わかったよぅ……」

 1枚上手のスバルに、あたしは逆にほだされてしまった。

 結局何も買わずにお店を出て、またショッピングモールをぶらぶらと歩き出した。

 ペアリングは残念だったけれど、ますますスバルのことが好きになってしまったのでしょうがない。

「ねぇ陽愛、おなか減らない?どこか入ろうよ」

「うん!じゃあ、あたしパスタのお店がいいな」

「パスタのお店ね、了解」

 スバルの先導でレストランのフロアに移動したあたしたちは、パスタのあるイタリアンのお店に入った。

メニューには、“2人でシェアするちょっとリッチなディナーコース”というのがあって、せっかくだからとそれを注文した。

「ねぇ、最近バイトとかバンドとか忙しいの?」

「うん、かなり」

「そっか……」

 実は、ここのところ、スバルからのLINEや電話の頻度が極端に減り、デートをする間隔もあいていた。

 時間が空いたからと家に来ても、Hが終わるとすぐに帰ってしまうこともあった。
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