元カレバンドDX
 『追いかける女は逃げられる』と雑誌で読んで学んでいたあたしは、問い詰めるようなことはしないし、干渉しないようにしていたが、それでもやっぱり気になっていた。

「でも今日は、陽愛に会えてリフレッシュできて嬉しいよ」

 スバルのその言葉に、あたしのこころと顔がほころぶ。

 そうだ。スバルは忙しいにも関わらず、ちゃんとあたしのために時間を割いてくれているんだ。

 それなのに不満を持つあたしは、彼女として最低だ。

「あたしもスバルとデートできて嬉しいよ」

 とびきりの笑顔を放って、卑しい自分の考えとさよならをした。

 テーブルの上には、ちょうど料理が運ばれて来て、前菜の車エビも、パスタの上に乗ったズワイガニも、あたしたちを祝福しているかのように見えた。

「いただきまーす!」

 あたしたちは声を揃えて、素敵なディナータイムをスタートさせた。

 大好きな人と、見た目も鮮やかなおいしい料理を食べる。

 こんな最高の時間に、あたしは酔いしれた。

「どれもおいしいね」

「うん、あ、陽愛、ここにソースついてるよ」
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