white coat


「明音ッ…」



俺の白衣の裾を握りしめながら耐える杏乃の頭を撫でる



「あと少しだから頑張ってね杏乃ちゃん」


「んッ…いッたい」


「ごめん、しみるよね」



それから10分くらいたった頃に処置が終わった



「…よし。杏乃ちゃん、お疲れ様。見た感じだと骨に異常はなさそうだけど、後日検査かな。今日は休んで」



「……ハァ…」


「おつかれ、杏乃」


目を合わせてそう言うとスっと目をつむった



「……宮田先生、ちょっと」


「…はい」



美海先生に手招きされて処置室を出る




「…集団で暴行を受けてるところを通りかかった人が見つけて通報してくださったらしくて。数人の学生だったって聞いてます」


「…その学生たちは?」


「警察に」


「……」


「……

処置は綺麗に出来て、傷跡もできるだけ残らないようにしました。

外面は私がなんとかします。心の方…支えてあげてください」




ぺこっと頭を下げて離れた美海先生



心…か。




< 228 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop