恋心の欠片を君へ

「何もって…うわあああああああああ!!??」


部屋に響きわたった彗月の悲鳴。

表情は一変し、目を見開いて顔が真っ赤に染まっている。


お前がこんな大きい声出せるなんて俺知らなかったわ。



「はっ…え?」


ペットボトルをメキメキと握りながら彗月はへたり込んだ。


「凛ちゃん…これをどこで…」


犯人が罪を認めるかのような項垂れかた。


これってそんなに重要なものだったのか?


「本棚から…落ちてきました」


悪いことをしていないのに罪悪感がまとわりついてつい敬語になる。

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