最期の時間を君と共に
「そうっ、絶対面白い子だなぁって!……だから、昨日筆箱落としてくれて良かった……って思ってる。ごめんね」

嬉しい。こんな私を面白いと言ってくれて。最悪だと思っていたことを、良かったと思ってくれていて。

「大丈夫だよ、私も話してみたかったんだ。一緒だね」

ニッコリ、ゆずきちゃんにはそう届きもしないブサイクな笑顔。笑顔になってから、しまった……と後悔した。

「……かっわいー!えーっ、可愛いー!」

「えっ、えっ」

「え、も、もう1回笑って!」

ゆずきちゃんは、上半身を前のめりにしてお願いしてくる。ブサイクだと思っていたのに。また、彼女は私に“嬉しさ”をくれた。
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