最期の時間を君と共に
まさか、物を盗られるなんてな……。


「ま、またぁ!?」

今は昼休み。ゆずきと外で遊んでいる間に、きっと盗ったのであろう。ゆずきから借りた、鉛筆や消しゴムがなくなっていた。確かに机の中に入れていたのに。机の上だと、また盗られるかも可能性があるし。

「遥?」

「あ、いや、その……」

またゆずきに借りる?でも、どう言って借りればいい?散々悩んだ結果、盗られたことを話すことにした。

「え、盗られたぁ?誰によ!……て、分からないか」

はぁ……、とため息を吐くゆずき。彼女は、私の話を聞いて本当に怒っているようで、彼女を纏う雰囲気がいつもと変わっている。
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