最期の時間を君と共に
「皆、ちょっと静かにしてくれないかな」

皆はサッと顔色を変えた。怖い。いつも笑ってて、穏やかな彼女がここまで言うなんて。

「で、ユキナちゃん、きいてる?」

苛立った様子で問いただすゆずき。そんな彼女に対して、ユキナは黙りこくったまま。彼女の恐ろしさを身にしみて感じているのだろう。

「……放課後、話すから」

冷たく言い放った。ユキナは小さく頷いた。

「遥ー、消しゴムはもうないんだけど、鉛筆はあるから……。はい」

「あ、ありがとう……」

ゆずきは私が怯えていることに気づいたのか、優しく笑ってくれた。大丈夫だよ、と言葉を添えて。

「あ、遥も放課後残ってね?」

「うん、分かってるよ」
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