最期の時間を君と共に
そして放課後となった。ガヤガヤ、帰る人たちで賑わう廊下。それとは対照的に静かな教室。残っているのは、私とゆずきとユキナだけ。皆、早く帰りたいのだ。

「で、遥の物、持ってるんじゃないの?」

「……ごめん、なさい」

ユキナのランドセルから、私の筆箱とゆずきに借りた鉛筆や消しゴムが出てくる。汚れてはいないようだ。

「……ふぅ。なんでこんなことしたの?」

ゆずきの目は冷たい。こんな冷たい目もできたのか、と呑気に思う。

「う、羨ましかったの……。ゆずきちゃんと友達になってる、遥がっ、羨ましかった……!ゆずきちゃんは人気者で、そんなゆずきちゃんと遥が友達になって……っ。私だって、友達になりたくて……、なのに、なんでっ?なんで……、私はダメなの……?」

確かにそうだ。なんでゆずきは断ったのか。理由を訊かなかった私にも少なからず非がある。
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