最期の時間を君と共に

その通りだ。言われて気づくことなんて、数え切れないほどある。昨日の……、ああ、ダメだ。明日考えるつもりだったのに誓という言葉を聞いてしまえば、思い出してしまう。

「喧嘩しちゃったの……。一方的に怒っちゃった」

「はぁ？そんなの、日常茶飯事でしょ？いつものように謝ればいいじゃない」

謝ればいい。確かにそうだけど、私から謝ったことなんて片手で数え切れるほど少ないのだ。いつも、いつも、誓から私のそばにきて謝ってくれたのだ。スマホで謝ることがあるらしいが、私たちは必ず直接。直接だと、自分の思いがストレートに伝わるからだ。

「無理なの、いつも誓からだったから」

そう言えば、三柳さんは顔を歪ませて、これでもかってくらい深いため息を吐いた。

「あんたねぇ……」

かなり呆れられたようだ。

「謝りたいよ……？でも、どんな顔して謝ればいいか分からないし、まず……、一方的に怒っちゃったから会ってくれないかもしれないし。……怖い」