最期の時間を君と共に
「……自分が思うままにすればいいんじゃないの?それで間違って後悔するより、こうやってずるずる引きずってるほうがいいってわけ?」

三柳さんの言葉が私の背中を強く押す。優しく押されるより、こうやって強く押されるほうが今の私にとっては嬉しかった。

「そう、だね。ありがとう、三柳さん」

「なに、急に素直になられると怖いんだけど」

どうせ、謝らなかったら謝らなかったで突っかかってくるくせに。どうしたらいいんだ、もう。

「ちょ、ちょっと待とう?」

「はい?今から謝りに行くんでしょ?」

そう、三柳さんはベンチから立ち、私が立つのを待っているのだ。私は慌てて引き止める。
そんなすぐ行けないよ……!

「もうちょっと話そ?」

まだ心の準備ができてないの……!必死にお願いする。
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