最期の時間を君と共に
「はぁ……、しょうがないわねー」

そう言いながら座りなおしてくれた。今まで、三柳さんのことライバルだと思って、いいイメージを抱いてなかった。でも、いい人なんじゃ?と思いはじめてきた。

「話題は?」

「……誓のことを好きになったきっかけ!」

「あー、いいけど、笑わないでよ?」

恋バナしたかったんだ……!私は目を輝かせて三柳さんを見る。彼女は懐かしむように目を細めた。

「中学2年生の時にね、同じクラスになったんだ。誓くんはイケメンだ!って有名だったから、すっごい嬉しくてね。本当、輝いてたなぁ」

有名だったの……?誓が?今更ながら知る。確かに整った顔立ちしてるけど……。誓との関係のスタートが幼馴染ですごい近しい存在で、顔なんかあまり見ていなかった。性格で好きになったし。

「初めの席で隣の席になれて、幸せだった。なんだかんだ私が話せば、返事くれたし、嬉しくって嬉しくって」

そうやって話す三柳さんは乙女で可愛らしい。
< 187 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop