最期の時間を君と共に
「クラスで1番話す女子ってなったら、私が1番だって自信があった。皆、近寄り難いって話してなかったからね。もう学年でもいけるんじゃない?ってくらいね。……その時は、深山さんと三柳さんのこと知らなかったからさ」

だんだん顔が曇っていく。見ていられなくて、私は俯いた。

「友達もあなた達のこと知らなかったの。だから、私、背中押されてた。『あんたならいけるって!告れば?』ってね。本当、自惚れてたの。ばっかみたいでしょ?」

自嘲気味に笑った三柳さん。そんなことない、と首を横に振る。

「それから、告るタイミング伺ってた。席替えする前に告りたかったし。……そんな時、あなたが現れたの。そしたら誓くん、嬉しそうに駆け寄っていくじゃない?びっくりしちゃったよ。話も弾ませてさ。南野さんも、深山さんほどではないけれど、話弾ませてたし。ああ、私ってば何してるんだろうって、現実に引き戻された」

「……そう、なんだ」
< 188 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop