最期の時間を君と共に
「友達もかける言葉失ってたしねぇ。私も楽しんでほしい一心で話しかけまくったよ。必死だった。でも無理でね……、放課後1人で泣いてたら誓くんがさ、たった一言。一言だけど、声をかけてくれた。“大丈夫か?無理するなよ”ってね。誓くんのせいで泣いてるのにね……、もう惚れる意外、ないでしょ?」

へへへ、照れ笑いを浮かべた三柳さん。一言、か……。私と三柳さんのいう一言は対照的で、その後の気持ちも対照的だ。

「まぁ、振られちゃったんだけど。でも、後悔はしてないよ。思うがままにやれてよかった」

三柳さんは、今の私とは違う状況だが、同じように悩んだだろう。そこで自分の思いを大事にしたのだ。

「凄いね……、三柳さんは」

「凄くないわよ」

いいや、凄い。凄いよ……。

「次は、深山さんの番なんだから頑張りなさいよ」
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