最期の時間を君と共に
「翼、だね。私もゆずきでいいよ」

お互い手を合わせ、握手を交わす。数秒で話した。

「変な感じねー」

そうだね、という意味を込めて笑った。翼には通じたであろう。

「また、会いたいね」

「会えるでしょ、きっと」

私たちだもん、声が合わさった。三柳さんの良さに気づくことができて、本当に良かった。

「さぁ、元の場所まで帰りますか」

「うんっ」

行きしなは無言だったが、帰りはぽんぽんと声が飛び交う。心地よいテンポで会話が続いていく。また、会いたいな。今日の結果も報告したいしね。

「さ、私はこっちだから」

「……また、いつかね」

「うん、またね」
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