最期の時間を君と共に
「お母さん、今日は出るのが早いの。だから、本当に申し訳ないんだけど……洗い物お願いしていいかしら?」

申し訳なさそうに、眉を八の字にする。

「うん、大丈夫だよー」

「ごめんね、ありがとう」

誕生日だから、なんて思っているのかな。大丈夫なのに――。


「ゆずき、はよ」

「おはよう」

朝の9時頃。インターホンが鳴り、準備万端だった私は1分も経たないうちに外へ出た。テレビで言っといた通り、今日は暖かい。

「寒くなくてよかったねー」

自然に話しかける。誓はそうだなぁ、と小さく笑った。

「昨日の寒さは異常。凍えそうだったわ」

「大袈裟じゃない?」

「いや、大袈裟じゃねぇし」
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