最期の時間を君と共に
「いいじゃん。ずっと覚えとくから」
「もう好きにして……」
投げやりになった私を見て、誓は笑う。ひとしきり笑ったあと、体の方向を変える。もちろん、手は繋がれている。
「中学校に行くか」
「うん」
中学校は小学校から10分くらいかな。だから、家からだと40分くらいかかるんだ。教科書も増えて、大変だった。あと、大変だったのが人を覚えること。隣町の人たちと一緒になるから、元々多かったのに、さらに多くなった。卒業式で初めて聞く名前があるほど、覚えられなかった。遥は全員覚えていたけど……。
「あっ、見ろよ、あれ」
「え?なに……って……あれ」
私たちが見た先にいたのは、私たちが通っていた中学校の制服を身にまとった男の子。見た目的に、1年生かな。キョロキョロと辺りを見渡しているのを見る限り、学校から脱走してきたと考えるのが妥当だろう。
「もう好きにして……」
投げやりになった私を見て、誓は笑う。ひとしきり笑ったあと、体の方向を変える。もちろん、手は繋がれている。
「中学校に行くか」
「うん」
中学校は小学校から10分くらいかな。だから、家からだと40分くらいかかるんだ。教科書も増えて、大変だった。あと、大変だったのが人を覚えること。隣町の人たちと一緒になるから、元々多かったのに、さらに多くなった。卒業式で初めて聞く名前があるほど、覚えられなかった。遥は全員覚えていたけど……。
「あっ、見ろよ、あれ」
「え?なに……って……あれ」
私たちが見た先にいたのは、私たちが通っていた中学校の制服を身にまとった男の子。見た目的に、1年生かな。キョロキョロと辺りを見渡しているのを見る限り、学校から脱走してきたと考えるのが妥当だろう。