最期の時間を君と共に
「あぁ?そうだ、見知らぬ人だ。ただ、お前の通う学校の卒業生なだけ。中学校に行こうとしたらお前を見つけて、気になった。脱走してるんだろ?」

私も、目の前にいる彼も口をあんぐりあけて、しばしの沈黙。初対面の人にこんなに言える……?色んな意味で凄い……。

「……うるさいなぁ。なんでもいいだろ!脱走してたってさぁ」

彼は痺れを切らしたようで、敬語だったのがタメ口に降格している。どうしよう。私はただ彼に学校に戻りなよって言いたかっただけなのに……。ってまって。私たちもサボりみたいなものじゃん。人のこと言えないし……!なにか言われそうだな、と思ったが、自分を守ることに精一杯な彼は私たちに攻撃してこない。

「あ、杉間!」

急に叫び声のような大きい声が耳を劈く。その声に目の前にいる彼は大きく肩を震わせて反応した。途端に走り出す。スギマ、というのが彼の名前で、スギマと大きい声を出したのが先生という感じか。なんて、今の状況を整理していると誓が走り出した。

「あっ、ちょ、誓……っ」
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