最期の時間を君と共に
手が繋がれたままだったため、引っ張られる。追いかけることに夢中な誓は、手が繋がれているということは頭からぬけているようだ。運動神経のいい誓は彼にまっしぐら。私もそこそこ運動神経は良い。体制をたてなおして、最大限の力を発揮して走る。心から動けるやつでよかったと思った――。


「……なんで追いかけてきてんの」

「さぁ。足が勝手に動いたかな」

だいぶ走った……。先生は途中までついてこれていたが、私たちの足の速さについてこれなくなったのか、いなくなった。まぁ、見た目的に50歳前後だったし、途中までついてこれただけでも凄いだろう。
息を整える。整えてから、辺りを見渡す。全然知らないところに来てしまった。

「ほんっとに、ほっといてほしいんだけど」

彼はイライラしているのか、頭をガシガシ掻いている。だが、誓には効かない。寧ろ、逆効果な気もする。

「無理。捕まえた獲物は最後までってやつ」

「なんだよ、それ。意味分かんないんだけど……。あんたらのせいで、全然知らないとこに来ちまったし」

あんたらってことは、私も含まれている感じか。最悪だ。私だってこんなところ知らないよ……。
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