君の隣で花が散る
頭をあげると時計が目に入った。

れおが待っているはずのお店を出てから30分以上が過ぎていた。


あっちゃ~。

またれおにどつかれてしまう。


今はとりあえずこの場から去ることを考えないと......

ふと手の中を見る。

ZK'sで買った獏のストラップを握っていた。


あ、そうだ!


「悪い夢を食べてくれる獏をかったので大丈夫ですっ!」


私はそう言い切ってれおのいる店へ一目散に走った。

後ろで女の人がポカンとしている。

でも、そんなのも無視して私は走った。






「ふぅ~、振り切れた~」


なんとか逃げ切った。

あ~、怖かった。

あまり人と話すことがなくて、しつこい勧誘とかもちろん経験がないから本当にびっくりした。


もう見覚えのあるお店の看板を見つめる。

れおはもう買い終わったのかな。


「おいっ」


後ろからドンっと背中を押される。


「れお」

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