君の隣で花が散る
「おい、大丈夫か」

「え?」

「ぼーっとしてたけど」

「あ、大丈夫!」


物思いにふけってしまった。


「そうか、それならいいけど」


私たちは再び歩き出す。


そして、ショッピングモールから出た。



~・~・~・~



大きく伸びをする。


空は手を伸ばすことをやめてしまいそうなほど高くて澄んでいた。

ゆったり白い雲が深い青の空を横切る。

枯れ葉が舞い、道に落ちる。



「れお」


「ん?」



遠くで烏が鳴く。


「死神やめたいとは思わない?」

「やめたい?」

「うん。
だってさ、人の死を直接見るんでしょ?
苦しくなったりしないの?」


れおは壮大な空を仰いだ。


「思うよ、今でも」
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