君の隣で花が散る
れおは少し憂いの表情を見せた。


「でも、ありがたいとも思っている」

「え?」

「人の死を見ることは確かに辛い。

だけど、死神の仕事はその魂がもう一度あの素晴らしい人生を送れるようにすること。

だから俺はそんな仕事ができてありがたいと思うよ」


すごい。

私はそんな事考えきれない。

私だって人の『死に際』を見てしまうけど、それがぼんやりでも悲しくなって心に黒い雲がかかってしまう。

それなのに、れおはすごいな。


「死神って大変なんだね」

「まあな」


歩道のへりにのり、バランスをとりながら歩く。

れおの死神の話はなんか深かった。


「ちょーとっ、そこのお嬢さんっ!」

「え?」
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