bajo la luz de la luna
 ソルの親玉――フランシスコを、このままにしておくことは出来ない。彼らの行いに制裁を加え、イリスの敵を取るためにも動かなくてはならない筈だ。

 先代である彼の父親の頃から、ソルの良い噂はあまり聞かない。何人もの女性、しかも人妻を侍らせていただとか、人身売買を取り締まるどころか加担していただとか。今はどうだか知らないけれど、アイツの態度を見る限りでは、まだ大きな顔をしてのさばっているのだろう。十年前の出来事に残る謎も解決したいというのが本音だ。



『……“奴ら”と決着を付ける時が来たようね。』

『未来。何度も言うようだが、絶対に感情で動くんじゃねぇぞ。なるべく話し合いで解決しろ。
どうしても無理なら俺を呼べ。そこら辺の対応は、俺の方が上手いからな。呼ばれたら飛んできてやるよ。』



 ポン、と頭に乗った手に安心して、小さく頷いた。アタシが一番欲しい言葉を、彼は無意識的に知っているのかもしれない。ガルシアも『厄介事の始末も、キャリアの長い群様の方が得意でしょうしね』と言う。本当に、向こうがすんなり話し合いに応じてくれると良いのだが。面倒なことになるのは、極力避けたいものだ。
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