道の果て・・
そんな中に彼はいた。

夏生は他のクラスにも友達が
多かったから、私には
わからないが同級生らしい人と
話込んでいた。

彼は22歳のころと変わりなかった。
もちろん、それなりに歳はとったが
彼はまぎれもなく彼だった。

遠くで夏生の姿を見ていた。
目が離せなかった。

そして私はまた、気付いてしまう。
彼を愛してると。

彼から目が離せなくなってしまう私は
中学生のころとなんにも変わってなく
彼しか愛せない自分は
本当にばかだと思った。

そして懐かしい思い出話なんて
できるはずがないと気付いてしまった。
だってまだ、この恋は
続いているのだから、思い出話に
なんてならない。

彼が結婚していたらと思うと
苦しくて、私は帰ることを
決意した。

まだ、早かった。
まだ、彼に会うには私の心は
追いついていなかった。


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