道の果て・・
そして椅子を見つけた私達は
座ることにした。

彼はスーツの胸ポケットから
1通の封書を私に渡した。
言いにくそうに
「俺の・・おふくろから。
 今日、もしも和津が来てたら
 渡してくれって頼まれて」
そう言って、私に差し出した。

私はまた、釘をさされるのかと
少し不安になりながらも
その手紙を受け取った。

その内容は、とてもすぐには
信じられないような内容だった。

14年前の謝罪から始まった手紙は
夏生が結婚を今だにしていないのは
私のことを、今も想い続けてるからで
そして、あのときに私達を
引き裂いたことを本当に後悔してると

そして、もし私もまだ夏生を
想っているのならば、もぅなんの
障害もないということを
とても丁寧な字と言葉で
綴られていた。

この手紙を書いた夏生の母親は
いったいどんな気持ちで書いたのかと
考えると切なくなった。
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