久遠の絆
「さ、出来たぞ。喰え」
無造作に手渡された皿を、有り難く受け取って、皆で「いただきます」を言う。
それは、旅の食事風景では当たり前のことになっていた。
そうしている内に日が暮れる。
蘭は次の日に備えて、早々に寝袋に潜り込んだ。
一日歩き詰めで、疲れが溜まっていた。
来たる時に備えて体力は十分に取っておきたいのに、そういう訳にもいかなくなっている。
自分の体力のなさを改めて後悔する蘭だった。
「ねえ、蘭。起きてる?」
うとうと仕掛けた時に声を掛けられた。
朦朧としながら、「うん……」と返事をする。
ともすれば、眠りに落ちてしまいそうだった。
「あたしね。蘭にお願いがあるんだけど」
「うん……」
「もうすぐさ、村に着くでしょ。その前にね。兄さんの彼女になってやってくれないかな」
「……はあ?!」
一気に眠気が吹き飛んだ。
マヤは何を言っているのだろう。
「あたし、マトが好き。兄妹としてじゃなく、男としてね。だってあんないい男、他にいないよ。優しいのに、強くって。でも涙もろいとこがあったり。自分のことより、他人のことを優先したり。探しても悪いとこがないくらいだよ。まあ強いて上げれば、お人よし過ぎるとこかな。そんなマトがね。あんたのこと、好きだって言うのよ」
「……」
「だからね、マトと付き合ってやってよ」
「マ、マヤ。、マトがいい人だって知ってるよ。でも、付き合うとかと言うのとは別だから」
「なんで?」
「なんでって。人に言われて付き合うもんじゃないし、それに」
「それに?」
「わたし、ずっとこの世界にはいられないんじゃないかな。瑠璃の巫女としての役目が済んだら、きっと帰らなきゃいけないと思う」
言いながら蘭は、元の世界に戻ることがとても嫌だと思っている自分に気付いていた。
無造作に手渡された皿を、有り難く受け取って、皆で「いただきます」を言う。
それは、旅の食事風景では当たり前のことになっていた。
そうしている内に日が暮れる。
蘭は次の日に備えて、早々に寝袋に潜り込んだ。
一日歩き詰めで、疲れが溜まっていた。
来たる時に備えて体力は十分に取っておきたいのに、そういう訳にもいかなくなっている。
自分の体力のなさを改めて後悔する蘭だった。
「ねえ、蘭。起きてる?」
うとうと仕掛けた時に声を掛けられた。
朦朧としながら、「うん……」と返事をする。
ともすれば、眠りに落ちてしまいそうだった。
「あたしね。蘭にお願いがあるんだけど」
「うん……」
「もうすぐさ、村に着くでしょ。その前にね。兄さんの彼女になってやってくれないかな」
「……はあ?!」
一気に眠気が吹き飛んだ。
マヤは何を言っているのだろう。
「あたし、マトが好き。兄妹としてじゃなく、男としてね。だってあんないい男、他にいないよ。優しいのに、強くって。でも涙もろいとこがあったり。自分のことより、他人のことを優先したり。探しても悪いとこがないくらいだよ。まあ強いて上げれば、お人よし過ぎるとこかな。そんなマトがね。あんたのこと、好きだって言うのよ」
「……」
「だからね、マトと付き合ってやってよ」
「マ、マヤ。、マトがいい人だって知ってるよ。でも、付き合うとかと言うのとは別だから」
「なんで?」
「なんでって。人に言われて付き合うもんじゃないし、それに」
「それに?」
「わたし、ずっとこの世界にはいられないんじゃないかな。瑠璃の巫女としての役目が済んだら、きっと帰らなきゃいけないと思う」
言いながら蘭は、元の世界に戻ることがとても嫌だと思っている自分に気付いていた。