久遠の絆





『ではイーファンを殺せばいい。そなたがな』


「何で?何でそうなるの?セイアさんはイーファンさんを好きじゃないの?」


『好きだから、苦しんでいるんじゃない!』


「だったら、やっぱり会うべきだよ。会って、謝ればいい。勝手に死んでごめんなさいって」


『……』


「事実は消えないよ。わたしも分かってる。一生抱えてなきゃいけない傷だよ。でもやっぱり死んじゃ駄目なんだよ。どんなに苦しくても、やっぱり生きてないといけないんだよ。生きてたら、きっとその傷を忘れるくらい、いいこともあるよ。きっと、だけどね。でもわたし、この世界でとても大切なものを見つけたよ」


そう言ってから、蘭はその大切なものが何なのか、忘れてしまっていることに気が付いた。


(あれ?わたし、何を見つけたんだっけ……)


考え始めるとまた、頭が重たくなってきた。


(ああ、もうやだな)


そんな蘭を、セイアはじっと見つめている。


そして。


『そうだな。わらわは命を絶ったことを、イーファンになじられるのが怖かったのだ。何故共に生きなかったのかと』


「セイアさん」


『行こう。イーファンに会いに』







< 763 / 810 >

この作品をシェア

pagetop