久遠の絆
「あそこに?」
「あの扉の向こうにある部屋こそが、この神殿の中心。瑠璃の巫女が力を振るう場所だよ」
「あそこが……」
「だが、行かせる訳にはいかない。あんた達があの部屋に入ることは決してないのさ」
そしてまた、シェイルナータの手が光る。
「あの扉に入るためには逃げなきゃならないよ。出来るかい?」
反論する間もなく、シェイルナータは光の帯を放った。
今度は一本ではない。
数本の光が、あらゆる方向から、蘭達を目掛けて飛んで来る。
「逃げ切れない!」
蘭の叫びが空しく響く。
カイルとシドが背中合わせになって障壁を築いた。
光の帯が障壁にぶつかった。
だが、その隙間を縫って、一本の光の帯が蘭を狙う。
ドーン
石畳の石が、破片となって飛び散った。
「キャア!」
「蘭!」
マトが蘭に覆い被さり、石の破片をその身に受けた。
まただ。
また、マトが蘭を庇って傷付いた。
「マト!マト、ごめん!わたしのせいで、こんなに……」
「蘭のせいじゃないよ。俺が蘭を守りたいだけだから。……どこも怪我しなかった?」
「うん、平気だよ」
「良かった。蘭が無事なら、俺は……くっ」
「マト!マト!」
痛そうに顔をしかめるマトに、マヤが駆け寄る。
「今、特製の薬塗ってあげるから」
そうしている間にも、シェイルナータは攻撃の手を休めはしなかった。
光の帯だけでなく、また風の刃を繰り出して、カイルとシドに休む間を与えない。
「ほうら。そろそろ体力の限界だろう。そんなことで守護者の務めが果たせるのかい?」
確かに疲労が増していた。
障壁も今にも消えてしまいそうな程薄くなっていた。
「瑠璃の巫女を護りたいなら、もっと力を付けなくちゃ駄目だよ!」
哄笑しながら、攻撃はいっそう激しくなっていく。
カイルとシドの衣服にも赤いものが滲んでいた。
「あの扉の向こうにある部屋こそが、この神殿の中心。瑠璃の巫女が力を振るう場所だよ」
「あそこが……」
「だが、行かせる訳にはいかない。あんた達があの部屋に入ることは決してないのさ」
そしてまた、シェイルナータの手が光る。
「あの扉に入るためには逃げなきゃならないよ。出来るかい?」
反論する間もなく、シェイルナータは光の帯を放った。
今度は一本ではない。
数本の光が、あらゆる方向から、蘭達を目掛けて飛んで来る。
「逃げ切れない!」
蘭の叫びが空しく響く。
カイルとシドが背中合わせになって障壁を築いた。
光の帯が障壁にぶつかった。
だが、その隙間を縫って、一本の光の帯が蘭を狙う。
ドーン
石畳の石が、破片となって飛び散った。
「キャア!」
「蘭!」
マトが蘭に覆い被さり、石の破片をその身に受けた。
まただ。
また、マトが蘭を庇って傷付いた。
「マト!マト、ごめん!わたしのせいで、こんなに……」
「蘭のせいじゃないよ。俺が蘭を守りたいだけだから。……どこも怪我しなかった?」
「うん、平気だよ」
「良かった。蘭が無事なら、俺は……くっ」
「マト!マト!」
痛そうに顔をしかめるマトに、マヤが駆け寄る。
「今、特製の薬塗ってあげるから」
そうしている間にも、シェイルナータは攻撃の手を休めはしなかった。
光の帯だけでなく、また風の刃を繰り出して、カイルとシドに休む間を与えない。
「ほうら。そろそろ体力の限界だろう。そんなことで守護者の務めが果たせるのかい?」
確かに疲労が増していた。
障壁も今にも消えてしまいそうな程薄くなっていた。
「瑠璃の巫女を護りたいなら、もっと力を付けなくちゃ駄目だよ!」
哄笑しながら、攻撃はいっそう激しくなっていく。
カイルとシドの衣服にも赤いものが滲んでいた。