100回の好きの行方
篤人が何を言っても飄々とする菜月には、自分がした事の重大差には全く気がおらず、逆にその態度は堂々としたものであった。
誰もが、菜月のデザインじゃないことは見た瞬間から気がついているが、彼女の言うように確かに麻嘉のデザインだという証拠はここにはなかった。
デザインの下書きがあるわけでもない。
どちらかがデザインする姿を見ている人がいたわけでもない。
水掛け論だ。
たが、数時間後に、思わぬ形で菜月の嘘がばれてしまうことになるのだ。
*******
「はぁ~結局、深山の一言でメディアは去って言ったわけね。」
オフィスの窓から、エントランスの外を眺めていたあかねが朝はいたメディアがいなくなっていることに気がつき、呟いた。
「麻嘉ちゃんは?」
騒ぎが大きかったにも関わらず、連絡もしてこない事を不思議に思ったあかねが尋ねると、宗治から"朝、連絡したら今日は有給みたいです"と返事が返ってきて納得した。
デザイン部のみんなはあかねが話さなければシーンと静まり返っており、それぞれが淡々と過ごしている。
特に篤人と尚志は、いつも楽しそうにバカを言いながら仕事することもあるのだが、二人ともが話をせず、菜月の言動に怒りを抑えずにいるのが伝わってくる。
誰もが、菜月のデザインじゃないことは見た瞬間から気がついているが、彼女の言うように確かに麻嘉のデザインだという証拠はここにはなかった。
デザインの下書きがあるわけでもない。
どちらかがデザインする姿を見ている人がいたわけでもない。
水掛け論だ。
たが、数時間後に、思わぬ形で菜月の嘘がばれてしまうことになるのだ。
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「はぁ~結局、深山の一言でメディアは去って言ったわけね。」
オフィスの窓から、エントランスの外を眺めていたあかねが朝はいたメディアがいなくなっていることに気がつき、呟いた。
「麻嘉ちゃんは?」
騒ぎが大きかったにも関わらず、連絡もしてこない事を不思議に思ったあかねが尋ねると、宗治から"朝、連絡したら今日は有給みたいです"と返事が返ってきて納得した。
デザイン部のみんなはあかねが話さなければシーンと静まり返っており、それぞれが淡々と過ごしている。
特に篤人と尚志は、いつも楽しそうにバカを言いながら仕事することもあるのだが、二人ともが話をせず、菜月の言動に怒りを抑えずにいるのが伝わってくる。