100回の好きの行方
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 応接間で話そうと申し出ても、デザイン部のフロアから出ていかず、フロアにある椅子にぴしゃと、背を正して貴乃が座り込んでいるため、フロア内のみんなは仕事が遣りずらくてしょうがなかった。

 特にあれから菜月は一言も発さず、黙ってパソコンに向かっていることに、みんな違和感以外の気持ちは湧かなかった。

 静まりかえるフロアに、慌ただしい声が聞こえたのはその時だった。

「ちょっと貴乃さん!ここで、何をしてるんですか!?」

 フロアの入り口から顔を出した声の主は、着物に身を包んだ有給をとってる麻嘉だった。

「やっと来たわね、麻嘉さん。」

「お前、有給じゃ?しかもなんだよ、その格好……。」

状況を読み取れないみんなを代表して、淡い黄緑色の繊細な柄が入った着物を着ている麻嘉に、柄にもなくドキドキしながら篤人は、尋ねた。

「あっ、えっと用事があって……。」

 歯切れの悪い答え方をする麻嘉に、すこしムッとしてしまう篤人をみんなはじっと眺めていた。

 菜月は急に現れた麻嘉を睨み付ける。

「総務課の貴方が何しに来たのよ!ここはあなたの場所じゃないわ!」

「総務課?麻嘉さんあなた、今、総務課にいるの?」

 菜月の台詞に貴乃がびっくりした顔をしながら、麻嘉に詰めより、"信じられない。"と何度も呟いている。
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