吐息のかかる距離で愛をささやいて
「あなた達って、社内でのけっこう有名だったじゃない?」
「う、うん。」
いい意味ではないけど、有名だったとは思う。
「婚約破棄になった時、一応会社もどうするか迷ったらしいの。
でもまぁ、まだ結婚してなかったし、プライベートなことだから関知しないように一度は決定したらしいだけど・・・。相手の女の子がほら、あることないこと言いふらしちゃったじゃない?」
そう、実は、私が婚約破棄した後はなかなか大変だった。健二の相手の女の子が、社内で、私と健二の婚約破棄について色々言ったのだ。
あの時は、本当に辛かった。たぶん、俊がそばにいなければ私は会社を辞めていた。
「で、その話を耳にした工藤部長が、激怒して、あんたの元婚約者を飛ばしたのよ。」
工藤部長とは、当時の私の上司だ。入社以来、お世話になったし、可愛がってもらっていた。
ちなみに、今は関西支部で統括部長をされている。
そんことがあったなんて知らなかった。
「今回だって、元婚約者、本社に帰ってくる話もあったのよ。」
「そうなの?!」
「うん。それも工藤部長がどうにかしちゃったらしいわ。」
どうにかしちゃったって・・・
「・・・知らなかった。」
「まぁ、わざわざ言うような方でもないわね。」
「そうね。」
涼子に話したことで、私はどこかすっきりとした気持ちになった。
知らなかった事実に驚いたけど、何だか少し気持ちが軽くなった。
「前から思ってたんだけど、夏帆はまじめで考え過ぎよ。」
「そうかな?そんなことないと思うんだけど。」
涼子の指摘はいまいちピンと来ない。
「とにかく、もっと自分の気持ちに素直になりなさい。」
そう言われて小さく頷いた。
「う、うん。」
いい意味ではないけど、有名だったとは思う。
「婚約破棄になった時、一応会社もどうするか迷ったらしいの。
でもまぁ、まだ結婚してなかったし、プライベートなことだから関知しないように一度は決定したらしいだけど・・・。相手の女の子がほら、あることないこと言いふらしちゃったじゃない?」
そう、実は、私が婚約破棄した後はなかなか大変だった。健二の相手の女の子が、社内で、私と健二の婚約破棄について色々言ったのだ。
あの時は、本当に辛かった。たぶん、俊がそばにいなければ私は会社を辞めていた。
「で、その話を耳にした工藤部長が、激怒して、あんたの元婚約者を飛ばしたのよ。」
工藤部長とは、当時の私の上司だ。入社以来、お世話になったし、可愛がってもらっていた。
ちなみに、今は関西支部で統括部長をされている。
そんことがあったなんて知らなかった。
「今回だって、元婚約者、本社に帰ってくる話もあったのよ。」
「そうなの?!」
「うん。それも工藤部長がどうにかしちゃったらしいわ。」
どうにかしちゃったって・・・
「・・・知らなかった。」
「まぁ、わざわざ言うような方でもないわね。」
「そうね。」
涼子に話したことで、私はどこかすっきりとした気持ちになった。
知らなかった事実に驚いたけど、何だか少し気持ちが軽くなった。
「前から思ってたんだけど、夏帆はまじめで考え過ぎよ。」
「そうかな?そんなことないと思うんだけど。」
涼子の指摘はいまいちピンと来ない。
「とにかく、もっと自分の気持ちに素直になりなさい。」
そう言われて小さく頷いた。