密かに恋焦がれて

だから今夜は……
シャワーを済ませて戻るのをヒロが待ってるのだと思うと落ち着かないし気になっていつもより念入りに体を洗ったから時間がかかってしまった。

戻るとヒロは寝てしまっていた。

「ヒロ、起きて。ねぇ、起きてよヒロ……」

何度も声をかけたし揺さぶったけどダメだった。
いつもより時間をかけてしまい待たせたのは良くなかったかもしれないけど今日は特別な日なのに。

もう一度声をかけたけどやっぱり起きないヒロも今日の結婚式では気を張って疲れたのかもしれない。

初夜か……
ため息混じりに苦笑した。
私ったら、どれだけ期待してたんだか。


隣のベッドに入ろうとしたら腰の辺りに何かが巻き付いて体が引っ張られた。

「なっ……!」

琴美の体はフワリと浮かんだ。

「お前のベッドはこっちだろ」

今、琴美はヒロが寝ていたベッドにいる。

「寝てたんじゃないの?」

「いや、起きてた」

「寝たふりしてたの」






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