密かに恋焦がれて
季節は春を迎えた。
3月の初めらしく陽がさすと昼間は暖かいが時おり吹く風は冷たい。
若い男性のお客さんが来た。
顔を見て琴美は驚く。
「お祝い事の花束を作って貰えませんか?」
ヒロがさっそく始めようとすると
「すみません、女性が喜ぶものにしたいんです。あなたにお願いできますか?」
琴美にお願いしたいと言ってきてヒロは変な顔をしたが琴美に任せると奥に入っていった。
「どんな感じにしたいですか?」
お客のイメージを訊きながらお花を手に取っていく。
花束が出来上がりこれで良いかと確認する。
金額を伝えてお金を預かりお釣りと花束を渡した。
「先輩、ご結婚おめでとうございます」
渡したばかりの花束を差し出された。
「やっとお祝いの言葉を言えました。受け取って貰えますか?」
「島崎ありがとう」