密かに恋焦がれて
中に入って来たヒロは琴美に気付き手を軽くあげた。
「もう来てたのか早いな会社サボってないよな?」
「そんな事しない。しっかり定時まで仕事して来たもの」
相変わらずの口調になんとなくほっとした。
「ほらっ、お前達突っ立って喋ってないで座れ」
言われて座ったもののお兄ちゃんがキッチンの方に入って行くのを見届けると自分も急いで立ってキッチンに行った。
「お兄ちゃん!ごめんこれ運ぶね」
「運ぶものはそんなにないし今日はお客さんなんだから座ってていいんだぞ」
「でも二人でやっちゃった方が早いよ」
「たしかにそれにヒロには甲斐甲斐しいとこ見せたいもんな」
こちらの会話が聞こえてるんじゃないかと琴美は焦る。
「ち、違うっ。ただ手伝いたかっただけ良いとこ見せようとか思ってないからね」
「はいはい、解ってるさ」