神様修行はじめます! 其の五
「もう二度とあの胸クソ悪ぃ泣き声を聞かされるなんざ、ごめんだね。さて、念には念を入れさせてもらうとするか」


 両手で印を組んだセバスチャンさんの両目に、グッと気合が込められる。


 するとまた氷の床から数本の細い蔓が飛び出してきて、今度は赤ん坊の顔に襲いかかった。


―― グボオォッ!


 赤ん坊たちの口の中に、セバスチャンさんの蔓が深々とぶっ込まれるシーンを目の当たりにして、あたしは少々及び腰。


 いや、あの、別に敵に同情するつもりはないんですけどね。


 でも赤ちゃんたちが、悲鳴すら出せずに涙を流して苦悶している様子ってのは、さすがに人としてちょっと……。


「まだ奥まで入るか? ん? もっといくか? どうせならとことんやるか?」


 ……この人、ぜんっっぜん、お構いなしや。


 やってることの悪逆非道ぶりとは対照的に、顔立ちは清々しいほどのイケメンってところがもう、本当にアッパレ。


 ここまで徹底してやられると、逆に気分いいわ。どっちが悪役かまったく分からんけど。
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