神様修行はじめます! 其の五
「で、でもでも! さすがの門川君でも、死んだ者は生き返らせられないんじゃなかったっけ?」


 あたしの命がヤバかったときは、たしかそう言ってたじゃん?


 それとも、なに? それってあたし限定の話?


 あたしに限ってその『蘇生術』はキャンペーン適応外ってことかい? わお、最低。


「生命力が桁外れている神獣だからこそ、その可能性に賭けることができるんだ。これがキミみたいに普通の人間だったら、普通に死んでいる」


「じゃあ、じゃあ本当に助かるの!?」


「だから、助かると勝手に決めつけないでくれと言ってるだろう! あくまでも賭けでしかないんだよ!」


「賭けオッケー! それでぜんぜん問題ないです!」


 あたしは思わず腰を浮かせて、治癒の術に包まれている子猫ちゃんを見ながら、素っとんきょうな声を張り上げた。


 助かる可能性があるって言うんなら、賭けだろうがカジノだろうが構わない!


 やりましょう賭けましょう!


 普段はガチャに課金しない主義だけど、こうなりゃコンビニでカードしこたま買い込んで、十連ガチャ連続で引きまくるわ!


「その代わり、龍の方から僕は手を引かせてもらう」


「え゛?」


 興奮して握り拳を振り上げていたあたしの勢いが、ガクッと削げた。


 手、手を引く? なんで?


「治癒の威力を上げる分、他が手薄になるのは道理だろう? 三匹のうちの一匹は氷龍を使役して対応するが、他の二匹まではさすがに無理だ」


 言われて見れば、二匹の龍たちを捕縛している氷が、勢いよく溶けていってる。


 ダラッダラと雫が垂れちゃって、なんかもう、さっきのあたしの鼻水レベル。


 それに応じて、龍たちも再び激しく暴れはじめていた。


 うわ、これじゃ自由の身になるのは時間の問題だよ!


「ど、どうしよう門川君!」


「ああ、どうにかしてくれ」


「……はい?」


 キョトンとするあたしに、門川君は事もなげに言った。


「僕が対応できないんだから、そっちが対応するしかないだろう。後は任せた。良しなに頼む」


 よ、良しなに頼むって……。
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