神様修行はじめます! 其の五
「絹糸、子猫ちゃんは大丈夫?」


「意識は失っておるが、命に別状はない」


 その返事を聞いてホッとした。


 よかった。せっかく生き返ったっていうのに、これで死んだら泣くに泣けないよ。


 凍雨くんも倒れて気を失ってるけど、彼は元から気を失っていたわけだから現状維持ということで。


 他の仲間たちもみんな床に身を伏せた状態で、動きが取れずに肩でゼイゼイ息をしている。


 とりあえずみんな、生きててよかっ…… あ、そうだ! 結界はどうなったんだ!? 


「マロさん! マロさんどこー!」


「ここにおじゃりまするぅ」


 広間のすみっこの方から弱々しい声がする。


 見れば、でんぐり返しを途中で失敗したみたいなポーズのマロさんが、それでも懸命に結界術を発動していた。おお、根性!


「マロさん、えらい!」


「この身がどうなろうとも、結界は張り続けまする。でもさすがにこの体勢は苦しいでおじゃる」


「元に戻りなよ。べつにそんな変なかっこうしてなくていいから。見てる分にはおもしろいけど」


「好きでしているわけではおじゃらぬ。体が重くて、身動きがとれないだけでおじゃる」


 さっきの衝撃で吹っ飛ばされて、そのまま圧力がかかって固定されちゃったのか。この人も運の悪い人だな。


 マロさんごめん。あたしも身動きとれないから助けてあげらんないんだ。


 なんとかそのポーズのまま頑張って! あとでラーメン奢ってあげるから!
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