私の最後の愛

side 龍

車へ手を伸ばして希を外に出した時、一瞬男に怯えた。
でも、それは一瞬。

周りを見渡した後少し口角が上がった。
そして正面を見据えて歩き出す。

紅に先頭にして屋敷を歩く。
その間、希の目には何も映っていない。

意識がトリップしている希を放ってほいて手を引いて襖の前へ来る。
「希。」
名前を呼んでも帰ってこない。
手を強めに握るとやっと俺を映した。
その目は『狂気』。
ゾクリと背筋が粟立つ。

襖を開けると上座には組長。
その周りには組員。俺が親切にコイツらのやった事を喋ってやるとコイツらの顔は、茹でだこみたく赤くなっていく。
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