私の最後の愛
起きると、私の隣には龍がいる。
ホッと息を吐きだし、龍の温かさに擦り寄る。
私はこのまま眠ってしまうと龍がいなくなってしまうと思って眠れなかった。
龍は私を愛してくれると言った。私は愛を受け止めれるのか。
そして私は同じぐらい龍を愛せるのか。
私が選択を間違えば全てが無くなるようで怖い。

私は、頬を伝っている涙を拭いて龍の方に寝返りをうって、
龍が居なくならないように精一杯抱きしめて目を閉じた。


side龍
希の横に寝転がり、後ろから抱きしめると希が震えているのがわかった。
俺は目を閉じた。希は眠れないのだろう、俺がいなくなると思って。
俺はお前を離さない。離してくれと言っても離さない。
やっと手にいれた唯一無二なんだ。
お前を潰れる程の愛で愛する。
希は俺を愛さなくていい。ただ、笑って隣にいてくれるだけでいいんだ。
安い言葉がいるのなら言ってやろう。
希、愛してる。
希が俺の腕のなかで寝返りを打つと俺の方に向いた。
俺の胸に擦り寄って、細い腕で俺を精一杯抱きしめる。
目をあけて希を見れば、長いまつ毛には涙がついている。
希、お前はもう逃げられない。
クスリと笑って俺も意識を手放した。
ベッドサイドにある時計をみると針は7時を指している。
カーテンの隙間からは光が漏れていて朝だということがわかる。
こんな暖かさはいつぶりだろう。
龍の腕から出ようと動くと、龍の瞼がゆっくりと開く。

「ごめん、龍。起こしちゃった。」
「......いい。それより熱は?」
額に手を当てると、熱は下がってるようだった。

「大丈夫。下がってる」
「ん。それよりまだ早いじゃねぇか。寝るぞ」

私の腕を引っ張ってベッドに連れ戻そうとする龍。
「もう寝れないよ。それにトイレ行きたいし」

「チッ」
舌打ちされて苦笑いした私は部屋を出る。
昨日もリビングに来たけど、その時は気にしていなかった。
部屋を見渡すとソファーもカーペットもテレビも全て黒。
私は黒好きだからいいけど、それにしても黒い。
それに、マンションなのにすごい広い。
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