HEAVEN ROAD
深い溜め息を吐いた豊はあたしを睨み付ける。



でも、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。



豊のこの冷たい手を温めなければ。



「おめぇは字が読めねぇのか?!」



床に膝を付き、豊の手を握りしめるあたしの頭上から声がする。



「あ?!字?読めるけど」



早くあったかくなれよ。



「至るところに貼り紙があるよな?」



豊の言葉にキョロキョロと辺りを見回すと確かに貼り紙が沢山ある。



「ホントだ」



「なんて書いてある?」



「今それどころじゃないんだよ」



「何がだ?」
< 99 / 877 >

この作品をシェア

pagetop